【韓国旅客船沈没事故】脱出の乗員、客を偽“装”…救護努力一切せず

韓国の旅客船セウォル号沈没事故で3日、乗客を船内に置いて逃げたとして逮捕された乗員が、乗客を装って脱出するため、作業服から着替えていたことなどが、合同捜査本部の調べで分かった。乗員らが、修学旅行生ら乗客の救護努力を一切しなかった可能性がさらに強まり、韓国国民の間には乗員らへの不信や怒りがあらためて広がっている。

セウォル号にはイ・ジュンソク船長(68)以下、1等航海士2人、2等航海士と3等航海士各1人、操だ手3人、甲板長と機関長各1人ら操船担当の乗員が15人いた。全員が遺棄致死容疑などで逮捕されたが、海洋警察が最初に救助した約50人の中に、船長をはじめ8人の乗員が含まれていたことが分かった。

捜査関係者によると、機関長は脱出直前に作業服を脱いで半袖のシャツに着替え、航海士の1人は船室までジャンパーを取りに戻っていた。船長も下着姿で救助船に飛び移る姿が公開されているが、ズボンはわざわざ脱ぎ捨てたとみられる。

調べに対し、乗員らは着替えた理由の供述を拒んでいるというが、捜査本部は、一般の乗客を装って脱出するのが目的だったとみている。

また、船体後部の機関室で勤務していた数人の乗員は、部屋を出て廊下に集まり、事故発生から脱出までの30分間、じっと動かず何もしなかった。事故直後は船体が傾いても移動が容易で、脱出に備えたとみられる。そして、一般乗客は通れない専用通路から船体3階へ移動、合流したほかの乗員と脱出した。

しかし、同時間帯の船内には「船室で待機せよ」との放送が流れていた。この指示に従って船室にとどまった乗客の高校生らは、その後傾斜がひどくなって部屋から抜け出せなくなったとみられ、乗員らの不自然な行動が際立っている。

さらに、乗員らは沈没前に計7回、運航会社、清海鎮(チョンヘジン)海運の幹部らと電話で連絡を取り合ったが、乗客退避に関する話は一度もなかったことも判明。捜査本部は、乗員らが乗客の救護努力を一切しなかったとみて追及している。

韓国旅客船沈没事故
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